環境省は27日、国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がる沖縄県北部の「やんばる地域」について、陸域・海域の計約1万7300ヘクタールを国立公園に指定する方針を明らかにした。名称は「やんばる国立公園」で、6月の中央環境審議会で決定し、7月にも官報で告示する。
やんばる地域は、政府が2018年の世界自然遺産登録を目指す「奄美・琉球」(鹿児島、沖縄)の対象に含まれている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、登録の条件として対象地域の法規制による自然保護の強化を求めており、環境省は国立公園化により遺産登録に弾みをつけたい考えだ。
指定するのは、国頭村など沖縄本島北部の3村を中心とするやんばる地域のうち、陸域約1万3600ヘクタールと、海域約3700ヘクタール。沖縄海岸国定公園の一部も編入する。
陸域の照葉樹林には、ヤンバルクイナやノグチゲラなど多数の固有種が生息。波の浸食によってできた石灰岩の崖やマングローブ林など多様な自然景観を誇る。
指定区域には、日米両政府が一部返還に合意している米軍北部訓練場(約7800ヘクタール)は含まれていない。同省国立公園課は「今後訓練場が返還されれば、区域拡張も検討する」としている。
奄美・琉球の対象地域では、3月下旬にも沖縄県の西表島全域が国立公園に指定される予定。鹿児島県の奄美大島と徳之島は国立公園の指定を目指し、環境省は自治体や地権者との調整を続けている。〔共同〕
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